「ランドセル 歴史」は月1,300回検索されています。
調べてみて印象的だったのは、「意外と新しい」ということでした。
先に結論
現在の箱型が生まれたのは明治20年(1887年)。ただし全国の小学生が持つようになったのは昭和30年代で、そこから約70年かかっています。「昔からずっと当たり前」ではありません。
年表
鞄工房山本が公開している解説をもとに整理します。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 江戸時代末期 | 西洋式軍備の導入で、オランダ軍の背嚢を参考にする。オランダ語で「ランセル(ransel)」 |
| 明治10年(1877年) | 学習院が、軍隊の背嚢を模した通学かばんを採用 |
| 明治20年(1887年) | 伊藤博文が、皇太子(後の大正天皇)の学習院初等科入学に際し、特注の箱型(学習院型)を献上。これが現在の原型とされる |
| 戦後 | 義務教育の強化とともに推奨される |
| 昭和30年代 | 全国の小学生に普及。「小学生=ランドセル」が定着 |
| 1970年代 | 茶や紺が登場 |
| 1990年代〜 | 色数が増加 |
| 2000年代〜 | 技術革新が進み、数十色から選べるように |
明治20年に何が起きたか
この年が分岐点です。
皇太子(後の大正天皇)が学習院初等科に入学するにあたり、伊藤博文が特注の箱型ランドセルを献上したとされています。この形が「学習院型」と呼ばれ、現在の原型になりました。
同じ解説では、「ラントスル」から「ランドセル」という呼称に変わったのもこのときとされています。
形と名前が、同じタイミングで決まったということになります。
あわせて読みたい ランドセルの語源はオランダ語の「ランセル」 もとは軍隊の背嚢です。子どものかばんではありませんでした。名前が変わっていく過程に、日本での定着の仕方が表れています。普及までの70年
明治20年に原型ができてから、全国に広がるまで約70年あります。
学習院は皇族や華族の子どもが通う学校でした。当初は限られた層のものだったということです。
全国に広がったのは戦後、義務教育の強化とともにでした。昭和30年代に「小学生=ランドセル」という文化が定着したとされています。
つまり、いま祖父母世代が「自分たちも持っていた」と言えるようになったのは、この時期以降です。それより前の世代には、ランドセルを持っていない人もいます。
色の変化は、ここ30年の話
長く「男の子は黒、女の子は赤」が定番でした。
| 時期 | 色 |
|---|---|
| 〜1960年代 | 黒と赤が定番 |
| 1970年代 | 茶や紺が登場 |
| 1990年代〜 | 色数が増加 |
| 2000年代〜 | 数十色から選べる |
そして現在です。ランドセル工業会の2026年調査(女児n=737)では、女児の1位は紫・薄紫で30.0%。赤は6.6%で5位でした。
「女の子=赤」は、実態としてはもう成り立っていません。
一方、男児(n=763)は黒が54.4%で、こちらは大きく動いていません。変化したのは女児側だけという構造です。
あわせて読みたい ランドセルの色|人気ランキングと決め方 女の子の1位は赤ではなく紫。この10年で色の常識は変わりました。最新データと、好みが変わったときの対処法まで整理します。祖父母と話すときに使える
この年表は、実務的にも役に立ちます。
セイバンが2025年12月に実施した自社調査(1,498名)では、ランドセル代の支払者は両親55%、祖父母47%でした。祖父母が買う家庭は珍しくありません。
このとき起きやすいのが、色の前提のずれです。「女の子なら赤」という感覚のまま話が進むと、あとで揉めます。
「赤が定番だったのは1960年代まで。いまは紫が1位で、赤は5位」という事実を先に共有しておくと、感覚の差を埋める材料になります。
あわせて読みたい ランドセルは誰が買う?祖父母への頼み方 祖父母が出す家庭は珍しくありません。だからこそ、金額より先に決めておくべきことがあります。変わっていない部分
150年近く経っても、変わっていないものがあります。背負う形です。
背嚢の原点は両手が空くことでした。素材は牛革から人工皮革へ、色は2色から数十色へ変わりましたが、背負って両手を空けるという構造は同じです。
ランドセル工業会の2026年調査では、購入の決め手として「フィット感」が21.6%と「軽さ」の17.5%を上回っています。背負い心地が中心にあるという点も、変わっていません。
あわせて読みたい ラン活とは?意味と全体の流れ ランドセルを買うだけなのに、なぜ「活動」と呼ばれるのか。1年がかりになる理由と、やることの全体像を最初に押さえます。歴史・年号・色の変遷に関する記述は、鞄工房山本が公開している解説記事の内容を2026年9月1日時点で確認したものです。同記事でも「とされています」「言われています」という表現が用いられており、確定した史実として示されているものではありません。歴史の解釈には諸説があります。色の選択割合・購入決定理由は、ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査 2026年」(女児n=737 / 男児n=763 / 全体n=1,500 / 株式会社クロス・マーケティング実施)、支払者の割合は株式会社セイバンが2025年12月8日〜16日に実施した自社調査(1,498名)によるもので、メーカー1社の調査である点にご留意ください。検索回数はUbersuggestの日本向けデータ(2026年8月取得)によります。
よくある質問
ランドセルはいつからありますか?
いまの箱型は誰が作ったのですか?
全国に広がったのはいつですか?
昔は何色でしたか?
次に決めることは「どれを選ぶか」
時期の見通しが立ったら、比べる基準を決めます。
本記事はランドセルメーカーの公式発表資料や公的機関の公開情報をもとに編集部が作成しました。価格・仕様・日程は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。